近刊案内
2022年5月19日
5月以降の近刊
シモーヌVOL.6
【特集】インターネットとフェミニズム:私たちの空間を守る
6月上旬発売予定
シモーヌ編集部 編
A5判並製 164頁
定価1500円+税
ISBN978-4-7684-9106-5
C0036
2021年9月、日本に誕生したデジタル庁のスローガンは「誰一人取り残されない、人に優しいデジタル化を。」だが、オンライン空間ではヘイトスピーチ、ハラスメントがすさまじく、インターネットから距離をとる人が少なくない。白人男性中心の開発、高齢、貧困、障害など、さまざまな要因でアクセスすらままならない人もいる。
現在のインターネットは誰にでも優しいとは、決して言えない。これからのデジタル空間を生き抜くために、インターネットをフェミニズム視点で考えていく。
インターネットの歴史と現象をジェンダー視点で考える、記録的な特集です!
【特集】インターネットとフェミニズム:私たちの空間を守る
[ICTとジェンダー]
浅井亮子「ジェンダーの視点で振り返るコンピューター史」
隠岐さや香「STEM教育とジェンダーバイアス」
[インターネットとカルチャー]
・守如子「インターネット時代のファンカルチャー」
・シオリーヌ「YouTuberとして性教育をすること」
・リポート「ウィキギャップを知っていますか?」
・笛美「フェミニストの日常とインターネット」
[インターネットと表象]
・北村紗衣「1990年代のインターネット映画と女性:『ユー・ガット・メール』と『ザ・インターネット』」
・小林美香「ICT業界は「デキる男」たちのもの?:メディアが作り出すジェンダー規範から脱却するために」
[インターネットと恋愛]
・りぃな「あなたのペースト、あなたのサイズの愛を」
・河上りさ「狭き恋の門:トランスジェンダーの恋愛事情」
・鈴木アユミ「Tinderでの股の開き方」
・太田啓子「SNSとグルーミング:「真摯な恋愛」という名の予備犯罪」
[インターネットと女性運動]
・石川優実「私のインターネット運動史」
・皆本夏樹「countergaze」
・申きよん「前進するフェミニズム:韓国と日本におけるソーシャルメディアとアクティヴィズム」
[インターネットとバックラッシュ]
・座談会「バックラッシュに負けない! 生きるためのSNS利用」
・山口智美「ネット右翼と日本軍「慰安婦」問題へのバックラッシュ」
[インターネットとハラスメント]
・堀あきこ「だって、ネットの話でしょ?:インターネットの差別に抗う」
・宮下萌「インターネット上のヘイトスピーチとオンラインハラスメントの法規制を考える」
・相川千尋「オンラインハラスメント:フランスの実態調査の結果を読み解く」
[インターネットとインターセクショナリティ]
・ふぇみ・ゼミ「オンラインでジェンダーと多様性をつなぐ:ふぇみ・ゼミの取り組み」
・伊是名夏子「パンダになるためのインターネットラジオ」
[論考]
・斉藤正美「インターネットにおけるフェミニストのメディア利用を考える」
[特別寄稿]
・李琴峰「差別に加担しないためのインターネット・リテラシー:笙野頼子さんエッセイへの応答を兼ねて」
[年表]
・フェミニズムから見たインターネットの歴史
【アクチュアリテ(時事問題)】
・元橋利恵 母性と体制:自己犠牲とロマンチシズムをこえて」
【連載】
Renaitre?女は生まれなおしている 〈 6 〉 インベカヲリ★
・#猫研 Cフェミ曲? 非フェミ曲?
・パリのシモーヌたち 6 アトランさやか
・手さぐりフェミニズム入門(第5回) 栗田隆子
・シスター、狂っているのか? D 高島 鈴
・ふみがわのフェミ短歌塾(第六回) 二三川 練
・SAW & LAW 往復書簡(第5回) 芋ポテト&万次郎
・ずるこのおんな食べ物帖E 江戸川ずるこ
・女同士で子育てしたら 小野 春
・書店からはじまるフェミニズムE 奥村千織[1003]
・シモーヌ シネマレヴュー 鄭優希
・シモーヌ ブックガイド
・羊毛でつくるフェミニスト
シリーズ藩物語
岡崎藩
6月上旬発売予定
堀江登志実・湯谷翔悟 著
(ともに岡崎市美術博物館学芸員)
A5判変型並製 208頁
定価1600円+税
ISBN978-4-7684-7160-9
2023年・NHK大河ドラマ(主演:松本潤)「どうする家康」の舞台を活写!
徳川幕府を開いた徳川家康は、三河を拠点とした松平氏の出身である。岡崎の地は、家康の祖父・松平清康が領して整えた。その後、この地は今川氏や豊臣氏に支配されるが、徳川家の下に戻ってくると、家康は腹心の本多康重に入封させた。以後、岡崎は徳川家康誕生の地として重要視され、本多氏のみならず、水野氏など徳川氏の信頼が篤い譜代大名たちによって治められた。江戸時代、最も重要な街道であった東海道の宿場町として大いに栄えた岡崎藩の歴史と文化を紹介。
徳川家康生誕の地ならではの逸話が満載!
現在の愛知県岡崎市を拠点とした藩の物語!
凜として灯る
6月中旬発売予定
荒井裕樹 著
四六判並製 240頁
定価1800円+税
ISBN978-4-7684-3592-2
第15回(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞受賞後初の書き下ろし作品!
その人は、『モナ・リザ』にスプレーを噴射した。
理由を知るには、人生を語る覚悟がいる。
1974年4月20日、東京国立博物館で開催された「モナ・リザ展」一般公開初日。人類の至宝と称される絵画「モナ・リザ」(レオナルド・ダ・ヴィンチ作)に、一人の女性が赤いスプレー塗料を噴射した。女性の名前は米津知子。当時25歳。「女性解放」を掲げたウーマン・リブの運動家だった。取り調べのために連行される警察車両の中で、彼女はクスクス笑いが込み上げていた。極度の緊張と、やっと落とし前をつけられたうれしさの中で。女として、障害者として、差別の被害と加害の狭間を彷徨いながら、その苦しみを「わたしごと」として生きるひとりの、輝きの足跡。
【著者紹介】
1980年、東京都生まれ。 専門は障害者文化論、日本近現代文学。 東京大学大学院人文社会系研究科修了。 博士(文学)。 二松学舎大学文学部准教授。 障害や病気とともに生きる人たちの自己表現活動をテーマに研究・執筆を続ける。 著書に『隔離の文学──ハンセン病療養所の自己表現史』(書肆アルス)、『生きていく絵──アートが人を〈癒す〉とき』(亜紀書房)、『差別されてる自覚はあるか──横田弘と青い芝の会「行動綱領」』(現代書館)、『障害者差別を問いなおす』(筑摩書房)、『車椅子の横に立つ人──障害から見つめる「生きにくさ」』(青土社)、『まとまらない言葉を生きる』(柏書房)などがある。