営業部だより
2011年10月20日
なんて恥知らずな…。 『国家と情報』を読んで怒り爆発!
この7月に講談社ノンフィクション賞を受賞した森達也氏の『A3』の中で、ジャーナリストの青木理氏が『週刊金曜日(2010年3月10日号)』に寄せた以下の文章が引用されています。「オウム真理教による一連の事件の前後、公安調査庁(公安庁)は“組織の生き残り”に向け、なり振り構わぬ数々の試みに取り組んでいた。(中略)そして本来は即刻廃止されるべき公安庁は細々と息をつないでいる。公安庁にとってオウムは、やはり“天佑”だったのだ」
森氏がドキュメンタリー映画『A』『A2』、書籍として結実した『A3』を通して提示した(マスコミ報道は黙殺し続けた)数多の事実、そして青木氏が示した上記の視座は、「オウム事件」への関心が年々低下してゆく現在こそ、逆に重みを増しています。 喉元過ぎれば熱さを忘れがちな自分自身を省みながら『A3』を読み進めると、オウム事件以降の日本社会の変質と劣化に改めて気付かされます。
原発事故を始め、風化させてはならない問題は無数にありますが、その代表格として昨年10月28日に起きた警視庁公安部による「イスラム捜査資料流出事件」が挙げられます。法務省の外局で逮捕権や強制捜査権限を持たない公安庁に対して、それらを有するのが公安警察ですが、東京都を管轄する警視庁では特に「警視庁公安部」として独立しています。その公安部のデータファイル114点がインターネット上に流出し、そこに記載されていた在日イスラム教徒の顔写真・氏名・プライバシー情報等がそのまま書籍化されるという事態も重なって、多くの人々を巻き込む悲劇(失職・家族との離別・近隣からの孤立etc…)に発展しました。
かくも深刻な被害をもたらした案件にも関わらず、警視庁は未だ被害者に対して一切謝罪せず、内部に存在すると疑われる実行者の摘発も行っていません。
組織延命のために不要な仕事・書類をでっち上げ、挙句の果てには何ら罪の無い人たちを絶望の淵にまで追いつめる…、余りにも愚か過ぎます! このような理不尽の横行と公安捜査の恥知らずな実態を1人でも多くの方に知っていただきたく、現代書館は満を持して
『国家と情報』を出版致しました。是非この機会にご一読下さい!