現代書館

 この実施綱領には、大臣が公職を任命する際に従うべきことが微に入り細にわたって書かれています。どのように募集をするか、公表のしかた、応募条件、再任について、兼任について、応募書類様式、選考、面接、文書の保管や苦情の際の応対方法まで、詳細なマニュアルが決められています。そして「公職任命コミッショナー」とは、この実施綱領をつくり、独立した査定者として審査に加わりチェックをするのです。こうしてあらゆる不正や偏りが起こらないよう、仕組みから整えているのです。

 不正をしない人間を探すのは至難の業です。いったい何を基準に選べばいいか分かりませんし、今は清廉潔白でもいつか利権のうま味に負けてしまうかもしれません。しかし、より不正が起こりづらいシステムを作ることはできそうです。その可能性と他国での実践を、この本は丁寧に紹介し、そして皆さんに提案をしているのです。

 政府の隠れ蓑になり果てている「審議会」を、本来の市民のための組織へと変革させる必要性とその方法についてが記された『審議会革命』。ぜひご一読いただきたいと思います。

(高)

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