昨年5月に末期がんを宣告されながら東電及び政府の会見に通いつめ、文字通り命を賭けた質問を繰り出し続けたジャーナリストの日隅一雄さんが6月12日にご逝去されました。ここに深く哀悼の意を表します。
市民のための行政を実現させるモデルとして、英国の公職任命コミッショナー制度を紹介した
『審議会革命』を編訳されるなど、日本に真の民主主義を根付かせるため最期まで執念を燃やし続けた日隅さん。国民が主権を行使するために必要な視点をご教示いただいたことに対する深い感謝とともに、心よりお悔やみ申し上げます。
亡くなる2日前、6月10日午前11時35分のメールで現代書館の編集者に約束の原稿が届けられ、これが日隅さんの絶筆原稿となりました。そして、そのラスト・メッセージは新刊書籍
『国民が本当の主権者になるための5つの方法』として結実し、7月下旬に発売されます。
現在、政権交代への期待を裏切り続けた民主党の失態により、国民の政治不信は極限にまで達しています。しかし、政治参加といってもせいぜい投票所に足を運ぶくらいで、選挙が終わってしまえば政治家たちに問題を丸投げして、後は文句ばかりを言うだけの存在は、はたして「主権者」の名に値するのでしょうか?
本書では、投票はもちろんのこと、それ以外にもできること(情報を得る・報道の自由を担保する・行政監視・政治教育など)、国民が主権を取り戻すためにしなければならないことが極めて具体的に紹介されています。新刊
『国民が本当の主権者になるための5つの方法』は、日隅さんの「ラスト・メッセージ」であるだけでなく、将来に亘って1人でも多くの人々に届けたい、「主権者の振る舞い方」を示した「全ての市民のための教科書」なのです。選挙の季節が近付きつつある今、是非ご一読を賜りますよう、心よりお願い申し上げます!
■宮台真司氏、推薦!「日隅さんはNHK番組改変裁判などで僕が出演するネット番組に何度も出演され、御逝去の一ヶ月前にNPJ編集長として主催された模擬コンセンサス会議には僕が出席させていただいた。予期していたとはいえ訃報に自失した。日隅さんの偉業を知る者は悲しみを乗り越え、未完の世直し事業を決然と引き受けねばならない。日隅さんから受け渡されたものはあまりに大きいが、日隅さんが僕らを見ておられるのである。泣き言は許されないはずだ。」