「令和2年(ワ)第19351号 損害賠償等請求事件について現代書館による声明」 |
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2019年11月20日に弊社が発行した石川優実著『#KuToo:靴から考える本気のフェミニズム』におけるツイートの引用が著作権法に違反して違法である等を理由に、現代書館と石川氏に対し出版差止と損害賠償を求める訴訟がK氏より提起された事案について、2021年5月26日の判決で原告の請求はいずれも棄却となり、被告の全面勝訴となったことをここに報告する。 また、今回のスラップともいえる訴訟について、ここに反論する。 私ども現代書館は下記の日本国憲法に則り出版業を営んでいる。 第三章 第十九条 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。 第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。 引用については下記の著作権法に則り編集作業を行なっている。 第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。 弊社はインターネット上でも思想の自由が保障され、その思想を公表できると考えている。したがって、言論に対する異論がある場合は、言論空間で反論すべきであると考え、ツイッターで公表されたK氏の言論に対する石川氏の異論を書籍に公表した。弊社はツイッターに投稿されたすべての文章を著作物とみなしており、K氏の投稿もすべて著作物であるので、著作権法の引用原則に従い掲載した。 しかし、これに対する異論をK氏は法の場に持ち込み、出版差止を請求した。 出版差止請求とは言論の自由を認めない行為であり、出版社に対し死を要求しているようなものである。 2021年5月26日の判決で、石川氏と弊社には何ら問題がないことが証明された。原告は控訴をほのめかしているが、その行為は言論の自由の侵害と出版人に対する侮蔑である。 控訴審においても当方の主張が良識ある裁判所にあって速やかに認められることを信じるものである。 弊社は今後もこのような言論の自由に対する攻撃に屈することなく、女性運動、障害者運動を応援する出版社であり続け、改めてこの場で、石川優実氏をはじめ草の根運動に取り組むすべてのアクティビストに敬意を表し連帯を表明する。 2021年5月27日 株式会社現代書館 代表取締役社長 菊地泰博 |
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