装幀 伊藤滋章
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出口顯 著
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判型
| 四六判 上製 |
248ページ |
定価
| 2200円+税 |
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1970年代の日本に「構造主義ブーム」をもたらした思想家の中でもレヴィ=ストロースはもっとも重要な存在であり、かつ難解な著作を持つ人物といえるだろう。1976年に日本で出版された『野生の思考』は、後の大作『神話論理』の前奏曲と位置づけられつつ、構造主義において重要な鍵概念となる多くのテーマがちりばめられている。本書ではその中から「親族・分類」、「神話」という2つの道に注目しながら現代社会におけるその有効性を探る。 著者・島根大学教授の出口顯氏は『レヴィ=ストロース斜め読み』(2003年)、『神話論理の思想』(2011年)、『読解レヴィ=ストロース』(2011年)『レヴィ=ストロース まなざしの構造主義』(2012年)、『ほんとうの構造主義 言語・権力・主体』(2013年)などレヴィ=ストロース、および構造主義関連の著作を数多く著しつつ、長年に亘って北欧の国際養子家族へのインタビューを行っている。そこで得られた当事者たちの「自分たちは何者なのか?」といったアイデンティティのゆらぎを『野生の思考』で詳細に検討されている「親族・分類」「神話」といったアイデアを用いながら分析をし、国際養子家族の可能性、新しい「家族のかたち」を考えていく。
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