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どうすれば戦争はなくなるのか |
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装幀 伊藤滋章 |
カント『永遠平和のために』が日本国内では、2010年以降の憲法改定、安保法の解釈などの政治環境の変化の中で話題を集め、新訳書籍が復刊するなど静かな話題を集めている。 本企画では、カント研究者でありながら市民参加の哲学カフェを主宰するなど、生活の中の哲学の実践を追及する寺田俊郎が『永遠平和のために』は、簡便な小論というだけではなく、実はカント哲学全体の思想を反映しながら、それを簡潔に表示する「見本」と捉えて読み直していく。もうひとつの本企画の目的は、激動する世界情勢の中での哲学の可能性を考えるという試みだ。著者は、カント哲学を「世界市民の哲学」として読み直し、その思考方法もとに「戦争をなくすことができるのか」というリアルな問題を考えていく。 国際連盟、国際連合などの戦後の政治体制の持つ意味、カント思想をふまえた上での日本国憲法の意義、現代の世界的な政治秩序の混乱などを徹底的に考え抜くことで小論『永遠平和のために』の持つ現代的意味を問い直していく。 【著者紹介・担当編集者より】 寺田 俊郎(てらだ・としろう) 1962年、広島県生まれ。京都大学文学部卒業、京都大学大学院文学研究科博士課程学修退学。大阪大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、上智大学文学部教授。専門は、哲学、倫理学。著書に、『カントを学ぶ人のために』(2012年、世界思想社、共著)、『世界市民の哲学』(2012年、晃洋書房、共著)、『哲学カフェのつくりかた』(2014年、大阪大学出版会、共著)、『グローバル化時代の人権のためにーー哲学的考察』(2017年、上智大学出版、共著)など。 日本人の平和への願望は強い。 本シリーズのこれまでと物と比べても読みやすく、腑に落ちる書き方だ。 改憲が日程に上りそうな昨今、自衛隊の海外派遣を踏まえ、戦争の危機は増している。そんな中で、戦争のない平和への思いは益々大きくなっている。宜を得た書籍だと思う。 |
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