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あなたは、わが子の死を願ったことがありますか?

あなたは、わが子の死を願ったことがありますか?――2年3カ月を駆け抜けた重い障害をもつ子との日々

装幀 渡辺将史

佐々百合子 著
判型
四六判 並製 208ページ
定価
1600円+税
ISBN978-4-7684-3546-5

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予期せず脳性マヒとてんかんの障害をもって生まれ、経管栄養となった子の障害を受け容れ、共に生きる覚悟ができたと思った矢先、気管支肺炎で急逝するまでの2年3カ月。障害者家族になって初めて実感する社会との深刻な断絶を赤裸々に綴る。

[著者紹介・編集担当者より]
障害児の親の手記は多々あるが、多くは子どもの障害を受容してからその成長の悲喜こもごもの話だろう。しかし本書は、誰も頼る人のいない転居地で、医療への不信やわが子の将来への不安と自分の人生が断たれたという不全感にさいなまれた母親による、重い障害を負って懸命に生きようとするわが子に対する憐憫・愛情と、その一方で死を願ってしまう葛藤をリアルタイムに綴ったものである。第3子も誕生し、ようやく親子5人で共に生きていく道筋が見えてきたところで、突然亡くなってしまったわが子への喪失感を乗り越え、同じように悩む親子、家族への支援の具体化のために任意団体「NAOのたまご」を設立した著者からのメッセージ。



*目次

 まえがき
第一章 運命を変えた出産
 始まりの日/産婦人科での入院生活/私の退院後、尚くんが退院できるまで/「母子家庭」生活

第二章 引っ越し
秋田への引っ越し/秋田での生活のスタート/生後半年が過ぎて/エグモント・ホイスコーレンの集い/恐れていた経管栄養のスタート/転機――療育センターへの母子入院/尚くん一歳の誕生日

第三章 入 院
 初めての入院と在宅酸素/変 化/同窓会/再び肺炎での入院、人工呼吸器の選択をめぐって

第四章 運命を変える決意をした出産
三人目の子ども/二度目の母子入院/生きていくための人のつながり――松井久子監督の来秋/母子入院でのリハビリ/帝王切開手術を前に/友人の気遣い/三人目の出産のため東京へ/三人目の出産、再びNICUへの搬送に

第五章 再び秋田での生活……今度は家族五人で
尚くんが自宅に戻るまで/尚くんが自宅に戻って……/福祉サービスの使いづらさ/離れているけれどつながっている人たちに支えられ/ようやく認められたきょうだい児を連れた母子入院/最初で最後の生演奏会

第六章 日々思ってきたこと、未来に向かって
かけてもらった言葉の数々/支えてくれたもの/希望を与えてくれたもの/産科医療補償制度と出生前診断/最底辺を守る/障がい児を育てる親を支える仕組みとして必要なもの/未来へ……

第七章 尚くんとの別れ
突然訪れた尚くんとの別れ/尚くんとのお別れ会/尚くんと生きるはずだった未来/生まれてきてくれてありがとう/尚くんが生きた証を社会に還元する/尚くんとの二年三カ月を振り返る/尚くんとの想い出を書きとめる/尚くんの人と人をつなげる力/重症心身障害児者を守る会秋田/重症心身障害児の尚くんと歩んできた道に関する講演会/映画『うまれる』/実家への帰省、懐かしい友人、忘れていた本との再会

第八章 力なき者の力
「NAOのたまご(障がい者・障がい者家族∞つなぐネットワーク)」の設立/大変さを比べるより、大変と感じている人に手を差し伸べる/佐伯駿君の訃報/尚くんの存在を姉妹にどう伝えていくか/鼎談会「秋田の子育てを考える〜それぞれの現場の視点から〜」/デンマークとのつながり/バリアフリーコンサートで再び尚くんに誓ったこと/笠羽美穂さんの講演会/尚くんからのメッセージ/おわりに

 尚くん年表


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