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入所施設だからこそ起きてしまった相模原障害者殺傷事件

入所施設だからこそ起きてしまった相模原障害者殺傷事件――隣人を「排除せず」「差別せず」「共に生きる」ための当事者視点の改革

装幀 河東田 文

河東田 博 著
7月3日発売!
判型
A5判 並製 184ページ
定価
1800円+税
ISBN978-4-7684-3563-2

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相模原事件は入所施設だからこそ起こった大量殺傷事件である。入所施設の実態を歴史的・社会的・構造的に明らかにし、神奈川県から2017年10月に出された「津久井やまゆり園再生基本構想」の問題点をも指摘し、脱施設の道筋を探る。

[著者紹介・編集担当書より]
1987年、知的障害者の都立入所施設職員だった著者は、内部からの改革の困難さ故に職員を辞め、スウェーデンに渡り、ストックホルム教育大学大学院で学ぶ傍ら、自立生活運動とパーソナル・アシスタンス制度の提唱者アドルフ・ラツカ氏、「ノーマライゼーション育ての父」ベンクト・ニィリエ氏と交友関係を結び、二人の書籍を翻訳、パーソナル・アシスタンス制度とオリジナルのノーマライゼーション思想を日本に紹介する。帰国後、四国学院大学・徳島大学・立教大学教授として知的障害者の当事者活動と日本および諸外国の脱施設の研究を一貫して続け、ノーマライゼーション、脱施設研究の第一人者となる。また、地域で知的障害者自身が主体となる本人活動、政策決定過程への当事者参画を支援してきた。現在、浦和大学教授。

施設職員としての体験を持ち、そのベースから施設解体を唱えてきた著者だからこそ見えてくる、入所施設の現実−−障害を抱えて生きることの苦労を知らない施設職員たちに自分の人生を懸命に生きようとする利用者の人生が握られている−−。その中でこそ起きた事件であるということを本書で明らかにする。神奈川県の「津久井やまゆり園再生基本構想」が打ち出した、入所施設を基盤にした個室・ユニット化、小規模分散化、地域移行策では本質的な解決にならないことに言及。これだけの事件が起きても入所施設の在り方を根本的に変えようとしない、日本の障害福祉行政への著者からの最後通牒でもある。



【目次】

はじめに

序 章 隣人を「排除せず」「差別せず」「共に生きる」社会づくりを構想するために
     ――社会形成モデルの検討と社会形成モデルの現状――

第1章 障害者殺傷事件を生み出す歴史的・社会的・構造的実態1
   ――障害者運動史を通して見る社会的排除・差別・権利侵害の実態――
 第1節 人間性の否定的値踏みと社会的排除・差別
 第2節 社会的排除・差別の象徴としての入所施設の誕生と入所施設での悲惨な実態
 第3節 障害者による社会を変革する取り組み

第2章 障害者殺傷事件を生み出す歴史的・社会的・構造的実態2
   ――社会的排除・差別・権利侵害されてきた人たちの歩みを通して――
 第1節 人としての権利を侵害されている人たち
 第2節 改めてハンセン病回復者の社会的排除・差別・権利侵害を考える
 第3節 逸脱者とレッテルを貼られた障害当事者への社会的排除・差別・権利侵害
 第4節 社会から排除され再び社会に戻ってきた人たちへの差別・権利侵害
 第5節 日本で生活する外国人への社会的排除・差別・権利侵害
 第6節 障害のある人たちが今なお直面する社会的排除・差別・権利侵害
 第7節 女性・子ども・若者・高齢者への社会的排除・差別・権利侵害

第3章 障害者殺傷事件を生み出す歴史的・社会的・構造的実態3
   ――津久井やまゆり園殺傷事件の軌跡と事件の検証・検討チーム報告書の検討を通して――
 第1節 相模原障害者支援施設津久井やまゆり園殺傷事件の軌跡
 第2節 「相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チーム」報告書に見る問題と課題

第4章 障害者殺傷事件を生み出す歴史的・社会的・構造的実態4
   ――精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律案の検討を通して――
 第1節 精神保健福祉法の目的
 第2節 相模原事件から精神保健福祉法改正案上程までの流れ
 第3節 精神保健福祉法改正案の主な改正点と特徴
 第4節 精神保健福祉法改正案への諸見解

第5章 障害者殺傷事件発生の要因とメカニズムを解明するために
   ――修正社会形成モデルの提示と諸方策「点検指標」の検討――
 第1節 混迷社会から垣間見える社会的排除・差別の要因とメカニズム
 第2節 混迷社会の意識化と修正社会形成モデルの提示
 第3節 障害者殺傷事件発生の要因・メカニズムと諸方策「点検指標」の検討

第6章 障害者殺傷事件を二度と起こさないようにするための方策と評価1
   ――現在地での全面的な建替え/全個室・ユニット方式への疑問と評価
 第1節 津久井やまゆり園障害者殺傷事件をどう受け止め、どう整理すべきか
 第2節 「現在地での全面的な建替え」「全個室・ユニット方式」への疑問と評価

第7章 障害者殺傷事件を二度と起こさないようにするための方策と評価2
  ――津久井やまゆり園再生基本構想策定部会「検討結果報告書」&神奈川県「津久井やまゆり園再生基本構想」の評価――
 第1節 事件発生から神奈川県「津久井やまゆり園再生基本構想」策定までの経緯
 第2節 「津久井やまゆり園再生基本構想」策定への黒岩祐治神奈川県知事の想い
 第3節 神奈川県「津久井やまゆり園再生基本構想」の問題と課題

第8章 障害者殺傷事件を二度と起こさないようにするための社会的仕組みづくり
   ――隣人を「排除せず」「差別せず」「共に生きる」社会づくりの検討 1
 第1節 障害者殺傷の芽となる虐待/権利侵害
 第2節 なぜ虐待や権利侵害が起こるのか
 第3節 知的障害者の生きる場を地域で保障するための社会的仕組みづくり:スウェーデンからの学び

第9章 障害者殺傷事件を二度と起こさないようにするための権利擁護体制づくりづくりの検討 2
 第1節 福祉現場での権利擁護体制づくりの必要性
 第2節 福祉現場で「権利擁護」体制を確立し「意思決定支援」を行うために
 第3節 「権利擁護・意思決定支援モデル」の実践を

終 章 隣人を「排除せず」「差別せず」「共に生きる」

おわりに


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