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人間としての尊厳 |
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装幀 西村吉彦 |
■好評発売中! スウェーデン社会庁が出版した知的障害者と接するときの手引書。 『人間としての尊厳 ノーマライゼーションの原点・知的障害者とどうつきあうか』という邦題で、障害者人権文化室〈Nプランニング〉が1998年第一刷、1999年に第二刷を刊行したものを、この度現代書館から刊行することとなった。 障害者福祉施設内において職員および周囲の人間が知的障害者に対してどのように振る舞うべきかをわかりやすく書いた本である。 各章題にはルビが振られ、「ぼくたち、わたしたち」と知的障害者目線で職員への要望が語られている点が印象的だ。 知的障害者も読めるようにさまざまな工夫がなされてはいるが、やはり主な読者対象として想定されるのは障害者福祉施設等で働く職員であろう。 知的障害者にとって職員との関係は非常に重要である。職員は「模範」でもあり、必要に応じて知的障害者を援助することが求められる。本書が障害者施設で働く職員と知的障害者がよい関係を築く一助となることを祈る。 解説では施設の増設などハード面にばかり注力してきた日本と、「知的障害者福祉法」を制定し、障害者の尊厳や権利と向き合ってきたスウェーデンとが対比される。「障害者を個人として尊重する」。そんな当たり前ともいえる考えを具体的に明文化し実践に移すための指針を作成した点において、スウェーデンの取り組みは大変に画期的であるといえるだろう。 【著者紹介・担当編集者より】 訳者、二文字理明。1946年生まれ。大阪教育大学名誉教授。主な著書:『スウェーデンの障害者政策〈法律・報告書〉』1998年、『スウェーデンの障害児教育改革』1995年、ともに現代書館。シリーズ『あなたへ』(全12巻)岩崎書店、1997年。『福祉国家はどこへいくのか』(共訳)ミネルヴァ書房、1997年。『精神薄弱教育実践講座CROIRE』第1巻、第13巻(分担)ニチブン、1994年ほか。 【目次】 第1章 知的障害者の自由と権利 第2章 知的障害者を一個の人間として尊重すること 第3章 自己決定の権利 第4章 共生のための規準 第5章 結論 文献一覧 解説 資料 知的障害者の自由と権利(「スウェーデン社会庁通達」1981年第19号) 本書に掲載されている知的障害者に対する援助・処遇の原則は、非常に具体的。 以下は本文からの抜粋である。 「知的障害者に対して、侮辱的、嘲笑的な言葉を用いてはならない」 「職員は、見学者を迎え入れることを承諾するかどうか入居者に前もって確認する必要がある」 「知的障害者のための施設やグループホーム等に生活するカップルが同棲したいと希望したとき、まず第一にするべきことは、施設等の外に彼らだけの住居を用意できるかどうか調べてみることである」……。 こうした人権尊重の姿勢が日本では十分に培われていないことを、知的障害者施設の施設長小形烈氏と順正短期大学の杉本章氏は解説で指摘する。 本書が知的障害者の人権について考えるきっかけとなることを願う。 |
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