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原子爆彈テロ概言 |
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装幀 箕浦卓 |
1944年12月7日、三重県沖を震源に東海地方を襲い、死者行方不明者1223人(現在も正確な数は不明)の「昭和東南海地震」は翌日の「対米開戦3周年記念」祝典もあって国民にひた隠しにされた。しかし米軍は偵察機を飛ばし、翌日の『ニューヨーク・タイムス』は「地球が6時間にわたって揺れた」と一面トップで報道。 翌1945年8月6日の広島原爆も原爆の正確な情報は国民に伝えられなかった。被爆2世でもある筆者が原爆投下を「原爆テロ」と規定する、所以である。 1945年8月30日付け『朝日新聞』の大田洋子の報告記事「海底のやうな光―原子爆彈の空襲に遭って(廣島にて)」は人類史上初めて書かれた原爆体験記となった。しかし、その後、GHQにより、被爆記録は発表禁止になり、占領下の原爆隠しになる。そして「原子力の平和利用」が始まり、ついに2011年3月11日、フクシマの悲劇が起きた。 これまでも原爆の威力は語られているが、人的被害は正確には語られなかった。本書には「日米合作核隠しの闇を衝く」という、帯がつく予定だが、まさに核の悲惨な歴史を網羅し、そのことを表現した3000冊以上の文献を基に書かれた労作。この70年間の核問題の集大成とも言うべき書籍である。 52万字の文字数の原爆〜原発の記録を書く筆者は今後現れないだろう。 |
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