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六市と安子の“小児園” |
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装幀 伊藤滋章 |
1914(大正3)年、ロサンゼルスに日本人児童のための養護施設「小児園」が設立された。設立者は大分・宇佐出身の楠本六市。「小児園」に保護された一人の幼女(移民の孤児)は、手足にひどい火傷を負っていた。六市はこの子を安子と名付け、自分の娘として育てる。極限的な境遇から救い出された安子は長じて後、日中戦争の只中に中国へ単身渡り、上海郊外に「小児園」を開設する。近代史に埋もれた「父娘」の軌跡を活写! [著者紹介・編集担当者より] 六市が北米に渡った20世紀はじめは、移民の時代であった。アメリカと中国で、日本と中国の子どもたちに愛情を注いで育てる六市と安子は、太平洋戦争によって「小児園」を奪われることになる。著者は元園児への取材等を通して「移民と戦争の時代」を丁寧に追い、六市と安子の実像をあぶり出している。「歴史は細部から浮かび上がる」ことを鮮烈に示す傑作ノンフィクション! |
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