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幕末の農兵

幕末の農兵

装幀 奥冨佳津枝

樋口雄彦 著
判型
四六判 上製 208ページ
定価
2300円+税
ISBN978-4-7684-5825-9

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それまで軍事とは無縁だった農民たちが、幕府や藩によって兵士に仕立て上げられたのが、幕末の農兵である。奇兵隊など庶民を含んだ諸隊についての研究はあるが、概説書は皆無。江戸時代の原則であった兵農分離を打破して登場した農兵は、全国の諸藩や各地域で、時を同じくして生まれている。その背景には、西洋列強による軍事的脅威、幕藩体制の動揺によって引き起こされた一揆や内乱という内憂外患があった。やがて封建制や身分制は解体され、日本は近代国家へと脱皮するが、その過渡期に誕生した農兵は、一般民衆に、身をもって国家の一員であることを体験させ、初めて「国民」としての自覚をもたらしたのかもしれない。本書は、日本各地の農兵の動向を網羅した農兵研究の嚆矢である。


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