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日本のマンガ・アニメにおける「戦い」の表象

日本のマンガ・アニメにおける「戦い」の表象

装幀 伊藤滋章

足立加勇 著
判型
A5判 並製 328ページ
定価
2800円+税
ISBN978-4-7684-5850-1

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格闘マンガ・サイボーグマンガ・ロボットアニメにおけるキャラクターや物語の分析を通して、戦後から現在まで「戦い」の表象が人々に受容されてきたメカニズムを多角的に探る。日本アニメーション学会賞2016奨励賞受賞論文を大幅に改稿。


[著者紹介]
足立加勇(あだち・かゆう)

学習院大学大学院人文科学研究科身体表象文化学博士課程単位取得退学、博士(表象文化学)。2016年6月に、博士論文『日本のマンガ・アニメにおける「戦い」の表象』により日本アニメーション学会・奨励賞を受賞。現在、東京造形大学非常勤講師、学習院大学非常勤講師。

主な著書・論文
「観客参加型コンテンツの成立と友情物語――少女向けアニメ『プリキュア』シリーズにおける観客参加の形式」『アニメーション研究』13(1)、日本アニメーション学会、2012年3月、pp.13-24。
『マンガ文化 55のキーワード』(共著)、ミネルヴァ書房、2016年2月、pp.128-131。
「五十嵐かおるにおける瞳の巨大化の過程――少女マンガの大きな目を考える一例として」『マンガ研究』vol.22、日本マンガ学会、2016年3月、pp.6-33。
「『宇宙戦艦ヤマト』から『君の名は。』へ――美少女が象徴する戦うアニメの系譜とその論理」『戦争社会学研究』vol.2、戦争社会学研究会、2018年6月、pp.110-132。


[編集担当者より]
「なぜ人は犠牲を払ってまで戦い続けるのか」という問いとともに始まり、数多くの作品、さらに作品に対するこれまでの批評を通して、戦後の日本のマンガ・アニメの中で「戦い」がどう描かれて/受容されてきたかを詳細に分析した無類の著作である。
その「戦い」において繰り返し描かれてきたのは、自らを犠牲にし戦うことで存在意義を見出す主人公たち、「戦い」そのものを肯定するために、守るべき者、自分を支配する者とも「絆」で結びつこうとする姿であった。フィクションの世界ではあるが、現実を反映させたものであり、その連関が論理立てて解き明かされていくにつれ、敗戦を経た日本と日本人の彷徨える姿が浮き彫りになっていくようでもあった。


【主要目次】

序論

第1章 傷つく身体と戦う物語
 1章1節 キャラクターが持つ二つの身体
 1章2節 〈キャラ〉の強度を作り出す技術
 1章3節 「プリキュア」シリーズにみる観客参加型ドラマの成立

第2章 戦う物語における主人公の身体
 2章1節 転倒される「アトムの命題」
 2章2節 「ジョーの命題」と「科学」の相克
 2章3節 戦うマンガ・アニメの循環構造

第3章 格闘マンガの展開
 3章1節 少年マンガと格闘マンガの親和性
 3章2節 成文法と暗黙の法の対立
 3章3節 格闘マンガの傷つかない身体
 3章4節 男たちの絆が作り出す女性像
 3章5節 ユートピアとしての格闘マンガ
 
第4章 サイボーグマンガの展開
 4章1節 ボラ―であることの自覚と平和という価値観
 4章2節 劣等感と優越感の混濁が生み出す戦闘共同体の絆

第5章 ロボットアニメの展開
 5章1節 「リアルロボット」の登場
 5章2節 ロボットアニメと理想のコミュニケーション
 5章3節 絆への渇望が生み出す物語類型

結論


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