装丁 中山銀士+金子暁仁
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沖浦和光 著
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判型
| 四六判 上製 |
424ページ |
定価
| 4500円+税 |
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沖浦和光氏は、1973年、ロンドンに留学すると同時にヨーロッパを歩き回り、西欧近代の崩壊を感じ取る。帰路、インドに立ち寄り、インド文化の奥深さとカースト制度の現実に思想的衝撃を受けたことが、その後、インド・中国・インドネシアなどのアジア諸国へ足繁く通うきっかけとなった。『近代の崩壊と人類史の未来』は、そうした人生の転機における思想的苦闘の成果である。 Uの高橋貞樹論では、高橋貞樹の理論・思想の歴史的位置づけを試みている。高橋貞樹との出会いも、沖浦氏にとって一つの転機を画するものであった。高橋は、戦前の共産党の指導者の一人で、水平社運動にも関わりをもち、弱冠19歳で、『特殊部落一千年史』という優れた著作をものす。これに感動した沖浦氏は、「特殊部落」が差別語として一人歩きしては困るということで、『被差別部落一千年史』(岩波文庫)と改題した版を世に広めたのである。思えば、沖浦氏の遺著が『部落史の先駆者 高橋貞樹 青春の光芒』(筑摩書房)であったことからも、氏にとって高橋貞樹がいかに巨大な存在であったかが窺える。
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