現代書館

季刊 福祉労働159号 トリプル報酬改定から社会保障の今後を読む

装幀 杉本和秀
福祉労働編集委員会 編
6月25日発売!
判型
A5判 並製 164ページ
定価
1200円+税
団塊の世代が後期高齢者となる2025年に向け、大がかりな医療・介護・障害福祉・年金・生活保護制度「改革」が進む。今年度の3報酬同時改定と生活保護基準切下げのポイントを整理、分析し、国が描く将来の社会像を市民の側から考える。

[著者紹介・編集担当書より]
超高齢社会に向けて社会保障費の爆発的な伸びを抑えるため、国は公助の守備範囲を縮小させ、自助努力(「自立支援」「重度化防止」)共助・互助(「地域共生」「我が事・丸ごと」)を謳い、今回の改定でも加算という形でインセンティブをつけてきている。高齢者・児童・障害者など対象者ごとに行ってきた縦割り福祉を一本化し、包括的な相談・支援体制=「全世代・全対象者型地域包括支援体制」の構築はけっこうだが、「多様性を認め合い・共に生きる社会」を創るために、地域の課題に我がこととして取り組んできた当事者やNPOからしたら、給付抑制しか考えていないことは見え見えで、高齢化・単身化・孤立化が進んだ地域へのまる投げにしか過ぎないと言えるだろう。
 さらに、団塊ジュニアが高齢者となる2040年に向け、あらかじめ医療費の伸びを経済成長率や賃金の伸びの範囲内に抑える目標を立て、目標を超過するような場合は翌年度以降に患者負担を増やすといったことも社保審で議論されているという。高度経済成長期に働き盛りを迎えた団塊世代と違い、非正規率が高く、年金、医療・雇用保険などの社会保障からこぼれる可能性の高い団塊ジュニアが高齢化する際のリスクは単なる数の問題だけでは済まなく、日本社会に与えるインパクトは深刻である。コロコロと制度が変わりますます複雑化、使い勝手が悪くなる医療・介護・障害福祉、年金・生活保護制度を前に、すでに問題として考えること自体を放棄してしまった感がある私たち市民の在り様が一番問題なのかもしれない。(猫)

主要目次
特集:トリプル報酬改定から社会保障の今後を読む
社会保障制度の課題と二〇一八年度予算の動向                  駒村康平
制度の変質、決定づけたダブル改定――暮らしの支援よりベッド数削減を優先   川名佐貴子
自立支援介護の是非を問う―介護報酬改定と制度改革の論点            三原 岳
惨憺たる介護保険(在宅系)報酬改定
――「障害があっても、高齢になっても、地域で共に」の原点から         小島美里
障害者福祉報酬改定の概要と課題
――障がい者総合福祉法骨格提言からみた今回の改定の課題と今後の方向性への危惧 茨木尚子
二〇一八年度障害福祉サービス報酬改定をどう見るか               今村 登
福祉サービス全盛の中での業就労系分野における報酬改定             白杉滋朗
超高齢社会の本格突入に向けた医療保険抜本改革のラストチャンス           千葉正展
生活保護の「特殊化」とナショナル・ミニマムの放棄
――生活扶助再引き下げと母子加算等の減額                   桜井啓太

社会を変える対話──優生思想を遊歩する 第八回            鈴木 良×安積遊歩
殺伐とした競争社会で最も抑圧された重い障害をもつ人がもたらす共感

現場からのレポート
優生保護法下の強制不妊手術問題に挑んで――最前線からの報告     山本勝美
なぜ、インクルージョンをめざすのか?――第六十七次日教組教育研究全国集会報告   堀 智晴








入所施設だからこそ起きてしまった相模原障害者殺傷事件
 隣人を「排除せず」「差別せず」「共に生きる」ための当事者視点の改革

7月上旬発売予定

河東田 博 著
A5判並製 184頁
定価1800円+税
ISBN978-4-7684-3563-2
C0036

相模原事件は入所施設だからこそ起こった大量殺傷事件である。入所施設の実態を歴史的・社会的・構造的に明らかにし、神奈川県から2017年10月に出された「津久井やまゆり園再生基本構想」の問題点をも指摘し、脱施設の道筋を探る。

[著者紹介・編集担当書より]
1987年、知的障害者の都立入所施設職員だった著者は、内部からの改革の困難さ故に職員を辞め、スウェーデンに渡り、ストックホルム教育大学大学院で学ぶ傍ら、自立生活運動とパーソナル・アシスタンス制度の提唱者アドルフ・ラツカ氏、「ノーマライゼーション育ての父」ベンクト・ニィリエ氏と交友関係を結び、二人の書籍を翻訳、パーソナル・アシスタンス制度とオリジナルのノーマライゼーション思想を日本に紹介する。帰国後、四国学院大学・徳島大学・立教大学教授として知的障害者の当事者活動と日本および諸外国の脱施設の研究を一貫して続け、ノーマライゼーション、脱施設研究の第一人者となる。また、地域で知的障害者自身が主体となる本人活動、政策決定過程への当事者参画を支援してきた。現在、浦和大学教授。

施設職員としての体験を持ち、そのベースから施設解体を唱えてきた著者だからこそ見えてくる、入所施設の現実−−障害を抱えて生きることの苦労を知らない施設職員たちに自分の人生を懸命に生きようとする利用者の人生が握られている−−。その中でこそ起きた事件であるということを本書で明らかにする。神奈川県の「津久井やまゆり園再生基本構想」が打ち出した、入所施設を基盤にした個室・ユニット化、小規模分散化、地域移行策では本質的な解決にならないことに言及。これだけの事件が起きても入所施設の在り方を根本的に変えようとしない、日本の障害福祉行政への著者からの最後通牒でもある。
ISBN978-4-7684-2359-2


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