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入所施設の現在――相模原障害者施設殺傷事件を受けて |
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装幀 杉本和秀 |
地域移行の取組みにも拘らず、本人意思でない入所が繰り返され、大規模施設の入所定員は微減にとどまり、施設が持つ構造的問題は地域移行の取組自体や地域生活の中にも持ちこされている。なぜ施設はなくせないのか。 [著者紹介・編集担当者より] 津久井やまゆり園での重度知的障害者の大量殺傷事件から間もなく1年。私たちの社会は真摯にこの問題と向き合っているだろうか。事件を受けての厚労省の事件再発防止検討会は本来、大規模コロニーを未だに必要とする地域社会の現実と、その中で行われている支援の質、職員の労働環境などの検討から出発しなくてはいけないはずだったのに、精神保健福祉法改正で措置入院解除後の問題にしてしまっている。神奈川県による同じ場所での施設全面建て替えという当初の構想は拙速な結論ではあるが、地域社会で重度障害者が暮らすグループホームを建てようとしても「自分の隣近所に建てられるのは反対」とする地域住民の本音が反映されいることも事実だ。この事件が明らかにした障害者への社会の(決して容疑者一人のものではない)歪んだ意識を少しでも正していくためには、まずは施設の現実を開示すること、そこで本来望まない暮らしを続けさせられている人が何万人もいるという事実を知ることから始めるしかないのではないか。 ※正誤表 本書の中で、下記の間違いがございました。お詫びして訂正いたします。 14ページ 表1 大阪府 大阪府立金剛コロニーの現在の名称 (誤)桃花塾→ (正)大阪府立こんごう福祉センター 同じ市町村に実在する、社会福祉法人桃花塾様には多大なご迷惑をおかけいたしましたことをお詫び申し上げます。 ※尚、旧金剛コロニーの定員は、850人から2017年現在100人に縮減されている。ただし、施設の運営を委託されている大阪府障害者福祉事業団が、旧金剛コロニーと同じ敷地内に医療型障害児入所施設105人、特別養護老人ホーム60人、障害者支援施設60人×2箇所を設置している。 【目次】 〔特集〕入所施設の現在――相模原障害者施設殺傷事件を受けて 入所施設政策の変遷と現状 曽根直樹 入所施設の構造的限界を問う 鈴木 良 大規模入所施設の現状と「地域移行」の意味 三田優子 理想的な施設をめざして ――高齢期及び医療的支援の必要な知的障がい者入所更生施設「厚木精華園」の取組みと挫折から 佐瀬睦夫 高齢・重度・医療化する療護施設 ――日本で最初に開設された多摩療護園の取組みの歴史と現在の支援課題 平井 寛 二九年間、知的障害のある人が入所している施設で働いて 安里芳樹 家族はなぜ施設を望んでしまうのか ──津久井やまゆり園家族会前会長が事件と事件後の対応について語る 尾野剛志 当事者が語る入所施設での生活、地域で暮らすようになっての変化 池田 隆 どうしたら、施設に入らずに地域で住み続けられたのか…… ――親亡き後、周囲の紹介で施設入所し、いま地域で暮らすAさんの語り 聞き手・構成=石井美寿輝 施設の中から ――マンパワー不足と職員の意識の低下、澱んだ状況の中で諦めを抱く入居者 稲葉 進 インターチェンジ 交差点 保育所の庭 ぼくもやりたい! 堀井二実 施設から 高次脳機能障害相談支援の可能性と今後の課題について 山田大悟 教室の窓 安全安心は分かるけど 大和俊広 障害学の世界から 第七十八回 台湾(中華民国)の障害者権利条約審査 長瀬 修 障害者の権利条約とアジアの障害者 第二十六回 権利条約の政府報告@ 提出状況 中西由起子 季節風 「障害者差別解消NGOガイドライン作成プロジェクト第三回成果報告会」報告 ――障害者差別解消法の今とこれから 鷺原由佳 勝利に向かって大きく前進 ――習志野市役所障がい者不当解雇事件、あれから一年 習志野市障がい者雇用を求める会(準) 『季刊福祉労働』一五〇号記念シンポジウム(下) より早期からの多様な分離が進む中で共に学び・育つ保育・教育の経験をどう伝えていくか 柴田靖子・宮澤弘道 社会を変える対話――優生思想を遊歩する 第四回 母体と胎児を秤にかける思考枠組みを超えて優生思想を捉え直す 前田 朗×安積遊歩 現場からのレポート 精神保健福祉法の一部改正について 内田博文 優生手術からの人権回復をめざして――日弁連意見書を機に法的救済を 山本勝美 「第六十六次日教組教育研究全国集会――平和を守り、真実をつらぬく民主教育の確立in NIIGATA」に参加して 北村小夜 障害児・者の高校進学 二〇一七年、春 竹迫和子 連載 「当たり前」をひっくり返す――フレイレ、ニィリエ、バザーリア 第八回 オープンダイアローグとの共通点 竹端 寛 |
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